ネット時代の勝手連と公選法

このブログでは、どの候補を支援するかに関わりなくすべての勝手連を支援するために、勝手連にとって有用な公選法の情報を提供していきます。 (引用・転載フリー。ただし商業利用は禁止です。)

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

PageTop

投票日当日にできること

◆投票日当日は何ができるか?

 今日は統一地方選挙の投票日です。

 選挙運動は投票日の前日までしかできません。

 では選挙事務所や勝手連は何もやることがないかというと、そういうわけではありません。従来から行われているのが「投票率向上」の電話です。

 投票率向上の電話とは「投票しましょう」という電話です。
 ちょっと待てよ、「投票しましょう」は選挙運動じゃなかったの?と思う方もいるでしょう。

 選挙運動になるのは「○○へ投票してください」と候補を特定して依頼する投票依頼です。これに対して、投票率向上の電話とは、誰に入れるということには一切ふれずに、「棄権しないで投票へ行きましょう」と呼びかける電話です。

 落選運動の勝手連のところで選挙運動の定義を説明したとおり、特定の候補者を当選させるための行為が選挙運動ですから、候補者を特定しなければ選挙運動にはならないのです。

 選挙経験者に聞くと電話はこんな感じだそうです。


Q)「○○の事務所です。もう投票に行かれましたか?」

A1)「行ってない。」

「是非投票に行ってください」

A2)「もう行った」
「○○にご支援、いただけましたでしょうか」
(これで票読みをするそうです)

 公選法違反などというよりも、むしろ選管から表彰状をもらいたいぐらいですね(笑。

 このほかに、選挙運動にあたらないものとして、日記や評論のブログがあります。特定の候補者の当選をはかるためだと読める文章でなければ、日記や評論は書き放題です。

 さらに大穴が落選運動。これも選挙運動ではないので、やり放題です。紙をばらまくと警察は神経質になると思いますが、ネットならそんなこともありません。紙についても、特定の候補を当選させることが真の目的だと立証できない限り、立件できません。ただ、紙の場合はいろいろと内定捜査をされてうっとおしくなるというリスクはありますので、腹の据わった勝手連だけやるようにしましょう(笑。
 なお、普通の勝手連・個人と異なり、組織的かつ継続的な「政治活動を行う団体」の場合は、政治活動規制の対象で、特定候補者の名前を出すことが規制されていますので、こうした団体の方はご注意を。


◆選挙運動の終わりはいつか?

 さて、ついでに、選挙運動ができる選挙期間の終わりがいつかという話にも触れておきましょう。

 よく夜の8時と間違える人がいるのですが、これは間違いです。夜の8時は街頭演説の終わり時刻で、1対1の働きかけは夜の12時までできます。実務上は、拡声器を使わなければ街頭演説とみなされないようです。

 ちなみに今回の都知事選では、ある候補が新宿で夜の12時まで握手をしつづけたとか。市民の勝手連も最後まで共に残り、生の候補者に出会った通りがかりの若者たちの反応がよく、とても盛り上がったそうです。土曜の夜の繁華街は若者も多く、案外、効果のある戦術かもしれませんね。ただ、地方の繁華街はしまるのが早いとの説も……大都会ならではの戦術というところでしょうか。

スポンサーサイト

PageTop

都知事選の3つの実例から

 いま、東京では都知事選が闘われています。勝手連の活動も活発です。

 そんな中、公選法の題材につかえる事例が3つまとまって発生しました。今日はこれらを見てみたいと思います。

 まず、いわゆる「幕間演説」について。
浅野氏「怒っている。だから戦う」…8日都知事選
 在日コリアンと日本人の高校生の青春を描いて大ヒットした映画パッチギ!の続編試写会の舞台あいさつに浅野候補が現れ、アピールした、というもの。まさに幕間演説!(笑) 石原知事に“ケンカ”を売ったことに共感した井筒監督から招かれたそうです。
 他の主催者が選挙とは別の目的で開催した映画会等の幕間で演説するのが幕間演説です。その人の演説を聴くことを目的に集まった聴衆に対して演説すると個人演説会になってしまいますが、これに当てはまらなければ幕間演説となります。勝手連主催の集会の多くはこのパターンで整理されます。
 ちなみに、某オリコンのWEBでは、「公選法スレスレ」という間違った記事を書いていましたが、幕間演説では「私が候補です。投票してください」と投票の依頼だって何だって言えます。何を言っても違反にはなりません。(嘘はダメ(笑)

 次に「利益供与」。
黒川氏 妻・若尾文子との「銀恋」断念…8日都知事選
 女優である若尾さんと黒川候補が集会でデュエットしようとしたら、選管に止められた、というもの。
 プロの芸能人が通常なら料金をとって提供している芸を個人演説会、政談演説会で無料で提供すると、利益供与になるということだと思われます。実は、公選法には「利益供与罪」というのはなくて、199条の2の「寄付の禁止」が俗称で利益供与と言われます。というのも、「寄付」が179条で「金銭、物品その他の財産上の利益の供与又は交付、その供与又は交付の約束で党費、会費その他債務の履行としてなされるもの以外のもの」と定義されているからなんです。わかりました?(笑)
 しかし、女優の若尾さんって普段「歌」で料金とっているのかいな?という疑問は残ります。選管って、何でも「危ない」「該当するかも」って言うんですよね。

慎太郎知事 ヤジにブチッ「うるさい、黙ってろ!」…8日都知事選
 石原候補が、再開発をめぐって地元で反対運動の盛り上がっている下北沢に街頭演説に行ったら野次られて、「うるさい、黙ってろ」「多数決で決めるものだ!」とブチ切れてしまったというお話。
 ここでのお題は235条の「選挙の自由妨害罪」。野次は演説の妨害になるか、という問題です。おそらく度が過ぎると該当する可能性があると思いますが、少なくともこの下北沢の時には警官も注意しなかったようで、「度を超さなければ大丈夫」という実例と言えそうです。多少の野次ぐらいあった方が勝手連らしくていいかも。
 この罪の親戚に、「多衆の選挙妨害罪」というのがあって、その成立要件の中に「警察官から3回以上に渡って解散の命令を受けても解散しない」というのがあります。どうも注意警告を2回受けたらおとなしくした方が良さそうです。

PageTop

WEBでの文言いろいろ


 今日はWEBでの表現方法としてセーフなものとアウトなものを検討してみたいと思います。他にも表現方法を募集します。

◆評論系のブログ/サイト

○「検討資料(討議資料)として掲載(引用)する」
○「○○の政策(マニフェスト)は良い(支持する)。」
○「××の政策(マニフェスト)は良くない。」
○「選挙に臨む姿勢が良い(悪い)、共感できる。」
○「候補者として適格(不適格)」
○「候補者の実績を~と評価する」など。

△「○○へ投票すべきである。」
  これは文脈次第でセーフにもアウトにもなるでしょう。

現職の場合、これまでにやってきた政治は広範に論評の対象たり得る。嘘でない限り、批判し放題。もちろん誉めても良い。これは言論・表現の自由の最たるものである政治的言論。
新聞、雑誌に書いてあるような書き方は大丈夫。


◆日記系のブログ/サイト

○「○○さんが好き(嫌い)。」
○「○○さんを応援している。」
○「××さんには当選してほしくない。」
○「○○さんに■■(知事など)になってほしい。」
○「○○さんを支持している。」
○「今日はこんなことがあった。」
○「今日はこんなことを考えた。」
○ その他、上の評論系で許されるものすべて。

内容・書き方として、自分しか見ない自分の日記に書いてあっておかしくないものなら皆セーフ。

◆もろにダメな表現

×「○○さんに投票してください。」
×「○○さんに投票しよう。」
×「○○さんを当選させましょう。」
×「全人民は○○候補へ投票を集中せよ!」(笑)

ただし、「○○さんを当選させよう、そう今日も思ったのだった。」なら○

◆サイト・ブログの開設目的による

△ 「××さんを落選させよう。」
△ 「××さんにだけは投票しないで。」

これらは、他の候補を当選させることが目的とされるとアウトになる可能性あり。落選させること自体が目的ならセーフ。

◆落選運動
○「××を落選させよう!」
○「××以外の候補へ投票しよう!」
×「××を落選させるために○○へ投票しよう」

 落選運動は公選法的にまったく合法で文書図画制限もない。ただし、候補者が二人しかいない場合は1番目、2番目は特定の候補への投票を呼びかけているのと同じだからちょっと微妙(特に2番目はもう1人の候補への投票呼びかけだとナンクセをつけられてしまう危険性あり)だが、公選法の本筋の解釈的には、あくまで目的が××の落選であってもう1人の候補を当選させることではないならセーフ。他の候補を当選させることが目的だと言われてしまうような文言(特にその「他の候補」の名前)を入れないように気をつける。候補者が3人以上なら議論の余地なくセーフ。
 3番目は特定の候補への投票を呼びかけているのでダメ。

◆「○○さんを当選させる」ブログ/サイト
△候補者の名前が入ると微妙。(WEBまとめ表参照)

◆他にもおもしろい表現募集します! 蓄積していきましょう。

つづきを表示

PageTop

番外編:「きっこのブログ」事件その後とYouTube

 番外編がつづいて恐縮ですが、今日は「きっこの日記」事件の続報とYouTubeに関する読売新聞の記事をとりあげようと思います。

 まず「きっこの日記」事件その後。

 きっこさんがお詫びの文章を掲載しています。これを読むと私の推理はほぼあたっていたようです(^_^)

 で、このきっこさんが掲載した文章を「現役雑誌記者」が、告発・訴訟に堪えられるように再編集・再構成したものがこちら。「現役雑誌記者」さんもチョンボしていた場合(そんなことはないと思いますが(笑)に備えてキャッシュがここ。なお、繰り返しになりますが、これは公選法について理解するための素材としてリンクしておくものです。都知事選について影響を受けたくない方は読まないようにしてください。絶対に読んではいけません(笑)

 この記事には、実際に自分がやるかどうかは別にして、公選法や名誉毀損にひっかからないためのギリギリの表現方法、引用先の提示、相手にあたっておく、責任をリンク先に転嫁するなどの高等テクニックが満載。知的に面白いです。(公知の事実や自分の考え・出来事を扱う日記・評論系のブログではここまでやる必要はありません。ご安心を。)

 次に読売新聞の動画投稿サイトの記事。こちらは時間が経って消えちゃうといやなので最初からキャッシュです。

 実は今日取り上げたかったメインのテーマはこちら。
 本ブログが主張してきたことが「当たり」だった証拠になるからです。

 どういう記事かと言いますと、政見放送が動画投稿されているんだけど、公選法的にそれってどうなの?というものです。引用しますと、『都選管は「候補者の映像がいつでも見られる状態になっているのは好ましくない」としているが、悩ましいのは投稿者の特定が難しく、目的がはっきりしない点。候補者本人や支持者が選挙運動目的で投稿したことが確認できなければ、明確な違反とは言いがたいといい、都選管は「警告などの対象になるかどうかは、最終的には警察の判断になる」と歯切れが悪い。
 あるサイト運営会社の担当者は「利用者から投稿された映像を共有するサービスなので、はっきり違法だという指摘がなければ、当社の一方的な判断で削除するのは難しい」と話しており、事実上、野放し状態になっている。』

 やはり、本ブログが主張してきたように、現在の総務省、選管の解釈に沿っても、目的が選挙運動(投票呼びかけなど投票を増やして当選させるため)でなければ、候補の名前も動画もネットに記載・アップすることは全く合法なのです。その証拠に、上記のコメントでは、アップした人の身元がわからないことが問題なのではなく、目的の立証が難しいことが本質的問題とされています。

 しかも、都選管のコメントはまず「警告」から入ることが前提になっています。都選管の言うことで警察は同じように考えるかどうかわからないという留保は必要ですが、しかし内容的に次のように考えられます。メールアドレスなど連絡先があれば、まず警告しようと思えばできるので、それもせずに事後にいきなり立件するのは法の下の平等に反し非常に難しいはずです。「ネットにある、候補者や推薦人、反対人の名前の書いてあるサイト・ブログで、選挙期間中に更新されたもの」すべてを起訴するのでない限り。

 もちろん、選挙運動目的と立証できるのであれば話はちがってきます。投票呼びかけの文言と一緒に、あるいは、選挙運動目的とはっきり掲げたサイト・ブログに、候補者の名前を記載したり、動画をアップしてリンクしたりする場合はリスク度はあがります。
 しかしながら、こうした行為については、官憲の側も、もし違反事件として起訴するならリスクをとらなくてはなりません。今の「ネットも文書図画」という総務省の解釈が「表現の自由」に対する事前規制をめぐる憲法裁判で裁判所によって肯定されるかどうかというリスクです。規制目的が「お金のかからない選挙」ということであれば、目的と規制手段との間の合理的関連性について疑問がありますから、かなりの冒険です。いわばこの問題は「リスクとリスクのにらみ合い」の構造です。
 そこを理解した上であれば、どうするかは皆さんの自己判断に委ねられるべきことでしょう。

 今回はちょっと自慢ばかりのエントリでした。すみません。
 

つづきを表示

PageTop
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。