ネット時代の勝手連と公選法

このブログでは、どの候補を支援するかに関わりなくすべての勝手連を支援するために、勝手連にとって有用な公選法の情報を提供していきます。 (引用・転載フリー。ただし商業利用は禁止です。)

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サクジョ・ヘイサという都市伝説

 勝手連関係者がとまどうことが多いのは、「選挙期間に入ったら、ブログ・サイトに書いた選挙に関係する記事は削除しなければならない。」という噂です。

 結論的には、普通の勝手連や勝手連関係者は、選挙期間に入ったからといってそれまでに書いた記事を削除する必要はありません。それどころか、内容に気をつければ更新だってできるのです。

 こうした「都市伝説」が生まれた原因としては2つが考えられます。
 ひとつは、「告示前と告示後では規制が変わる。告示後は文書図画を頒布・掲示することが禁止される。」という、一面だけは正しいが、粗いために結果的に間違った結論をもたらす考えです。
 もうひとつは、「告示直前には政党などがそれまで張っていたポスター等をはがしてまわっている。」という見聞きした経験からの類推です。これと上の見解が結びつくこともあるでしょう。

 まず、第一の考えの誤り。頒布・掲示が禁止される文書図画は「選挙運動のために使用する」ものです。選挙運動とは、特定候補者の当選のための働きかけでした。一方、政治活動は原則として自由です。ですから、投票を呼びかける趣旨の文章でなく、政治・政策についての政治評論や、その日あった出来事・思ったこと考えたことなどを日記風につづることは、言論表現として自由なのです。もちろん、「Aさん勝手連」というサイト名で開設しているサイト・ブログの場合は、文章表現だけが上のような内容になっていても、トータルにみて当選を目的とする活動と見なされる危険がありますが、そうでない個人のブログや政治的なテーマでのサイト・ブログなら、日常的にやっていることと同じ事は選挙期間中でもいつもと変わりなくできるのです。

 もう一つの考えの誤り。政党などの「政治活動を行う団体」が選挙期間が近づくとポスター等を撤去するのは、「政治活動を行う団体」については、例外的に選挙期間中の政治活動に一定の制限がかかるからです。候補者の名前が入った文書図画を頒布・掲示することなどができなくなります。そこで、これらの団体はこうした規制対象になるポスター等を撤去するわけですが、すでに書いたように、一時的ないし非組織的な勝手連はそもそも「政治活動を行う団体」にはなりませんので、こうした例外的な政治活動規制からは自由なのです。

 もちろん、どんなブログ、サイトであれ、「投票してください」「投票しよう」というような表現はもろにアウトですから、これは削除とか閉鎖とか言う以前に、最初から書かないようにすべきです。告示・公示前なら「事前運動」となり、選挙期間なら文書図画規制にひっかかります。

 ところで、ここまで、サイト・ブログが文書図画に該当するということを当然の前提として書いてきました。このこと自体が市民の日常感覚からは大きくずれていると思います。ブログは多くの人が日記のように気軽に書いています。しかし、総務省、選管の考えではサイトやブログは文書図画の掲示にあたるというのです。

 そもそも文書図画の枚数の規制は、選挙で金持ちが有利になることを防ぐというのが建前。ならば、金のかからないサイト・ブログはこの規制目的に照らして規制対象からはずすべきで、憲法学的にいうと、過度に広範な規制、しかも言論表現に対する事前規制になります。目的と手段のあいだに合理的関連性がないのだから、サイト・ブログを他の文書図画と一緒くたに規制するのは憲法違反の疑いも濃いと言わなくてはなりません。早急な解釈の変更ないし立法上の是正がなされるべきです。

 とは言え、現在の総務省、選管の解釈のラインに従ったとしても、上に書いたように、普通の勝手連ないし勝手連につながっている個人が、特定候補の当選を目的としないサイト・ブログで、投票呼びかけではない政治・政策評論や日記を書くことは自由なのです。ましてや、以前に書いてあった内容を削除したりサイト・ブログを閉鎖したりする必要などみじんもありません。逆に、更新だってできるのです。

ちなみに、「Aさんを応援する勝手連」というモロの打ち出しのサイト・ブログでも、投票呼びかけをせずに事前運動規制にひっかからなかった内容であれば、当然、同じ表現が選挙期間になったからといって突然選挙運動(投票呼びかけ)になるわけもないので、更新せずにそのまま置いておくのは問題ありません。

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落選運動の勝手連?~ 「選挙運動」の定義


 すこし前、韓国で落選運動というのが一世を風靡しました。

 日本では、落選運動のための勝手連というのは法的に可能なのでしょうか?

 結論から言うと可能です。まったく何の制限もありません。(ただし、全く制限がないのは一時的ないし非組織的な普通の勝手連の場合です。「政治活動を行う団体」の場合は政治活動規制がありますのでご注意を。)

 なぜかというと、規制を受ける「選挙運動」とは、候補者を当選させるための行為だけで、落選させるための行為は「選挙運動」の概念に入っていないからです。

 古いタイプの法律である公選法には「選挙運動」の定義がなく、総務省や選管は昭和3年の大審院判決をもとに次のように考えています。


 「特定の公職の選挙につき、特定の立候補者又は立候補予定者に当選を得させるため投票を得又は得させる目的をもって、直接又は間接に必要かつ有利な行為」


※選挙制度研究会編『実務と研修のためのわかりやすい
公職選挙法(第13次改訂版)』ぎょうせい、p.172


 ここで注目すべきは、「当選」は入っているけれど、「落選」が入っていないことです。

 つまり、特定の候補の落選を目的とする行為は、選挙運動にあたらず、従って、選挙運動に関する各種の規制を受けないということです。

 ただし、表現では落選を呼びかけていても、その目的が別の特定の候補の当選にあると判断されると、選挙違反に問われる危険性がありますので注意してください。Aさん応援の勝手連のサイト・ブログでBさん落選を呼びかけたら、そう判断されると思います。しかし、Bさん落選を目的としている勝手連がやる分には大丈夫です。


 まったく規制を受けないということは、告示後の選挙期間であろうが、文書図画も出し放題ということです。  選挙運動(投票呼びかけ)については規制を受けるブログ・WEBページも、更新し放題の作り放題ということになります。
 
   読者の皆さんには意外な結論でしょうか。
 
   なお、冒頭にも書きましたが、勝手連ではなく継続的かつ組織的な「政党その他の政治活動を行う団体」の場合は、政治活動規制がかかってきますのでご注意を。
  ※参照 http://www1.neweb.ne.jp/wa/kabuombu/seiji-rakusen.htm

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勝手連は政治団体か?

 このブログを始めるにあたり、最初にとりあげるべきテーマは、公選法的には「勝手連」ってなに?ということでしょう。

 公選法には、
「政党その他の政治活動を行う団体」とか、そのうち、特定の候補者を推薦・支持する「後援団体」、またさらにそのうち、候補者ひとりにつき一つしかつくれない「確認団体」というのは登場するのですが、「勝手連」というのは出てきません。

 そこで、勝手連はこれらにあたるのか?という問題になります。

 
結論からいうと、普通の勝手連はこのどれにもあたりません。  「普通の」というのは、選挙のために一時的に活動するだけだったり、非組織的だったりする集まりのことです。
 継続的でなおかつはっきりした指揮命令系統がある組織的な団体は「政治活動を行う団体」や、そのうちの「後援団体」にあてはまる可能性がありますが、このサイトではこれから何も限定をつけずに「勝手連」と書くときは、一時的あるいは非組織的な集まりのことを指すことにします。
  一時的だったり、非組織的な集まりは、「政治活動を行う団体」にはあたりません。

※選挙管理研究会『地方選挙における政党・政治団体の
政治活動の手引き(第6次改訂版)』第一法規p.3


 さて、勝手連が「政治活動を行う団体」にあてはまらない、ということがどうして有意味かというと、受ける規制がちがってくるからです。

 「政治活動を行う団体」は、選挙運動だけでなく政治活動についても一定の制限を受けますが、「政治活動を行う団体」でなければ、
選挙運動についての規制を受けるだけで、政治活動については何も規制を受けません。

 ここで、「選挙運動」をわかりやすく言うと、
特定の候補に投票してくださいと働きかける行為です。(候補を特定しない投票率向上の取り組みは入りません。)「選挙運動」の定義について詳しくはまたエントリーを改めます。

 政治活動の規制を受ける場合は、投票を依頼する文言がはいっていなくても、候補者の氏名や後援団体の名前が入っている文書図画の掲示が制限されたり、演説会・街頭演説が規制されたりするのですが、勝手連はこうした規制を受けなくてすみます。

 では、残った規制である「選挙運動の規制」としてはどのような規制を受けるのでしょうか。それはエントリーを改めることにします。

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